WAI-ARIAとの出会いの話
主催したHTML講習会で、HTMLに初めて触れる受講者から、「なぜ表示するだけなのにこんなイカついコードを書かなければならないのか?」という質問を受けたことがあります。
私はその質問に対して、スクリーンリーダを例に挙げ、
Webは表示を目で確認できる人のためだけのものじゃない。HTMLで書くことで、どんな人にも情報を伝えられるようになる。
と答えました。
「ここは本文じゃないよ」「ここは大事だから絶対に読んでほしい」などという意図をブラウザが認識できなければ、ロゴのための文字列やリンクなど、内容に関係のない箇所まで読み上げてしまう。情報をいろいろな形式に変換する技術は、HTMLがなければ成り立たないのだと。
この説明は、HTMLを知る受講者からも「初めてHTMLの存在意義がわかった」「そんなことを教えてくれる本はない」と好評でしたが、私の中では新たな疑問が生まれる契機となりました。
スクリーンリーダへの対応は、本当にHTMLだけで十分なのだろうか。
調べた結果出会ったのがWAI-ARIA。勉強しようにも、まだまだ邦書が少なく、日本と世界の乖離を感じました。
OOUIとの出会い
主力エンジニアとして参加したECサイト開発プロジェクトはメンバーの経験の差が大きく、フレームワーク経験がないメンバーはすぐにコーディングに参画できないという理由で、画面設計を任されていました。
Webデザインをかじったことのある私は、「画面設計なら誰でもできる」という解釈がなされていることにやや疑問を感じ、それを機にOOUIやUXなどのUI設計理論を学ぶようになります。
ハードウェアの都合よりも、人間の都合を重視したい
フルスタックを目指してまずはサーバーサイド、と考えていた私がフロントエンドを専門にしたいと思う理由は、これに尽きます。
まだまだ完全に導入されているとは言い難いアクセシビリティ対応。もちろんコストがかかる工程ではありますが、コストを言い訳にできなくなるような導入を容易にするツールを見つけ出せたならそれを広めたい。なければ自ら生み出したい。
世界に存在する、日本にはまだ届いていない技術。日本語で学ぶ手段を増やしたい。
数年後か数十年後か。それらの実現へ向けて進むのが現在の目標です。